フェレットと暮らす上でのメリット・デメリット

コンパニオンアニマルの中でもいっしょに暮らしやすいフェレット。

かわいいしぐさや表情で人を和ませてくれるフェレット。特別な世話は必要ではありませんが、それでも命と共に暮らすのですからいくつか注意すべき点があります。

フェレットと暮らすメリット

かわいい表情やしぐさ

フェレットはハンティングをする動物なので、立体視するために両目が正面から見える位置についています。両目が正面から見えると表情がわかりやすいので、人間は本能的に「かわいい」と感じます。はじめて接した時には表情がわかりにくいものですが、見慣れてくるとフェレットのさまざまな表情の変化に気付くようになります。

様々な仕草が心の癒しになります。

いっしょに遊べる

フェレットはフレンドリーで好奇心旺盛な生き物。物怖じしないのでお迎えしたその日から楽しく遊ぶこともできます。

お留守番が得意

ひとりで過ごしてもストレスを感じない自立した生き物なのでお留守番は得意です。フードやお水をたっぷり用意したら、1泊程度の旅行のお留守番もできます。但し、後述する室温の管理はお留守番の際には細心の注意が必要です。

めったに鳴かない

遊んでいてテンションが上がると飛び跳ねながら「クックック」と鳴くことはありますが、普段はほとんど鳴きません。身の危険を感じた時に「キャー」と鳴くと言われていますが、動物病院で治療を受けている時でも鳴き声を出すコは極めて稀です。ですので、集合住宅でもご近所に気兼ねなく過ごせます。

毎日の屋外での散歩は必要ない

フェレットが快適に過ごせる清潔な空間、きれいなお水とフード、そしてケージが直射日光に当たらないことさえ気を付ければ、毎日の定期的な屋外での散歩などの世話は必要ありません。室内で遊ばせるだけで十分です。

フェレットと暮らすデメリット

フェレットをお迎えするのは、共に暮らす命を引き受けることですから、当然ながら人の生活にある程度の制約や負担は生じます。ただしそのほとんどは、動物を完全な室内飼いする際の一般的な制約や負担と変わりません。

お留守番させたまま長い旅行はできませんし、日々の室温のコントロールも24時間必要になります。特に夏の暑さはエアコンによる適切な温度管理下でない限りは致命的となります。経済的にも生涯にわたってフードやそのほかのグッズの費用は掛かりますし、毎年の予防接種の費用や病気に罹った場合の治療費も必要になります。

 

他に、デメリットとは少し違いますが、フェレットをお迎えする際の注意点をご紹介します。

危険な隙間がないかチェックしましょう

驚くような狭い隙間にも入ってしまうので、フェレットを室内に放して遊ぶ際にはそれなりの予防策を講じておくことが必要になります。たとえば洗濯機や冷蔵庫の床との隙間、お風呂などの排水溝には注意しましょう。

ゴムや発泡スチロールをしまいましょう

フェレットは噛みごたえのある素材であるゴムやシリコン、発泡スチロールのような素材をかじるのが好きです。この延長でキャベツの芯や白菜の芯をかじるフェレットも時々います。こうしたものは隠しておきましょう。見逃しがちですが、置時計や電卓などの裏についているゴム製のクッションも目ざとく見つけて齧ってしまうので注意しましょう。これらを誤食すると腸閉塞などの原因となり、その結果、緊急の手術が必要となる場合もあります。

お迎えしてまだお互いに慣れていない時は、時間を決めてケージから出してあげて、表に出ている間はしっかり見守ってあげるようにしましょう。

フードをどこかに隠していないかチェックしましょう

フードを人目につかない場所にこっそり貯め込む性質のフェレットもいます。カビなどが発生しますので、フードを隠していないかこまめに見つけてあげましょう。

おやつに注意

完全な肉食なので、炭水化物や糖類、そして食物繊維の消化は不得意です。そのため、炭水化物過剰なフードや、果物など糖類や食物繊維豊富なおやつは与えることを避けたほうが良いと私は思います。

複数のフェレットと暮らす時

幼いうちから複数で暮らす場合には、オス同士、メス同士、オスメスなど、どんな組み合わせでも問題なく仲良くなります。ただし先住のフェレットがいるところに新しいフェレットが加わる場合には、すぐにいっしょにしてしまうのではなく、別のケージに入れて時間をかけてならしましょう。

新しい仔フェレットが来るとどうしてもその子に注意が向いてしまいますが、くれぐれも先住のフェレットを少なくとも1〜2週間の間はとにかくしっかりとケアしてあげて体調の変化に十分に注意してください。

先住のフェレットが俗にお迎え症候群と呼ばれている食欲不振、下痢や嘔吐ひどい場合には血便の消化器症状を示す場合もあり、動物病院での治療が必要となる場合もあります。